【母が特養に入るまで】(14)「 要介護1」新しい一人暮らしの始まり

遠距離介護

夜遅くに自宅につきました。

10日間も家を空けたのは初めてです。

みんなそれぞれ忙しい中、家事を分担して乗り切ってくれました。

私自身は春ごろに体調を崩し、仕事を辞めていたのが逆に幸いでした。

次の日みんなが出かけた後、ただひたすら眠り続けます。

「今ごろ母は、慣れない環境にどうしているだろう」

一瞬不安がよぎりました。

でも考えてみたって仕方ありません。

とりあえず、疲れをとって早く回復しようと再び眠りました。

8月31日、ショートステイの最終日。

ケアマネさんが母を施設へ迎えに行き、自宅へ送ってくださいます。

夕方、ケアマネさんから私にショートメッセージが届きました。

「C子さんはすぐに施設の暮らしに馴染んでくれました。楽しそうに洗濯物を干したり、雑巾を洗ったりして職員のお手伝いをしてくれたそうです。」

これには驚きました。

日頃から、

老人ホームへ入りたいという人があるけど、ワタシはムリ。今の一人暮らしが性に合ってるわ。

老人会、ゲートボールですら、すべて性に合わないと全く興味を示しませんでした。

まして「一日中他人様と一緒に暮らすなんて絶対にムリ」というわけです。

私も母の性格を考えると、家族でも我慢しきれないのに集団生活など “夢のまた夢” と思っていました。

でも結果的に何事もなく10日間を終えました。

本当に “何事もなく” だったかどうかはわかりません。

ただ、今回特に家族に報告が入るようなことは何もなかった、ということです。
 

やはりケアマネさんがおっしゃっていたように、プロのお仕事なのです。

私は改めて、将来施設のお世話になることを諦める必要はないと希望を持ちました。

その日の夜から、母の新しい一人暮らしが始まりました。

これからはケアマネさんが作成してくださったローテーションで暮らしていきます。

週3回ヘルパーさんに来ていただき、週2回のデイサービスです。

私は毎週木曜日までに生協へネット注文し、火曜日に配達してもらいます。

食パン・牛乳・チンごはん・焼き豚・煮物・サラダ・煮魚・レトルトカレー・味噌汁・葉物野菜・卵・キュウリ・トマト・お菓子・お茶・調味料・雑貨

これが定番でした。

煮物やサラダは数種類ずつ、煮魚もときには肉料理も入れて数種類、カレーはシチューやラーメンやうどんなどになったりしました。

夏にはゼリーやジュースなど、冬にはぜんざいや甘酒なども注文したりしました。

火曜日、ヘルパーさんが作業されている時間帯に配達していただき、足りないものなどあればケアマネさん経由で教えていただき次週注文します。

デイサービスは朝お迎えの車に乗せていただき、レクリエーションや体操をしてお風呂に入り夕方送っていただきます。

要介護1になるまでは考えられなかった生活です。

人嫌いで「気ままが一番」が口癖でした。

猜疑心が強く、中々人を信用しませんでした。

気分屋で絶対に謝らない、扱いにくい性格でした‥

母の場合は認知症を得たことで、今まで身に着けていた鎧を少し手放したのかなと感じます。

全ての鎧を持っていられなくなったという方が正しいかもしれませんが(笑)

  

  

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