【母が特養に入るまで】(20) “C子さんのペース”が大切

遠距離介護

2月になり亡父の法事のため帰省しました。

以前は仏間に和尚様をお迎えし、仏壇にお経を上げていただいていました。

しかし今は仏間にC子さんの布団が敷いてあり、それを片づけて法事の準備をするのは大変です。

実は前年(2018年)9月から、家庭の事情でフルタイムで週5日働き始めました。

再び早朝出発の当日限定で、タスクをこなすような帰省となります。

午前中にケアマネさんと実家でお会いして、午後から法事の段取りです。

この年の法事は実家ではなくお寺に行き、私だけで行うことにしました。

ケアマネさんと10時に約束して、私は9時半ごろ実家に到着しました。

この日もケアマネさんは小さな赤いマイカーに乗って時間ぴったりに来てくださいました。

駐車場で地面を掃いているC子さんに「C子さん、こんにちは!腰はもう痛くない?」などと優しい笑顔で話しかけながら「今日はお邪魔します。車を置かせてくださいね」とご挨拶。

「寒いからC子さんもおうちに入りましょう」と言われても、C子さんは中々掃除の手を止めません。

ひとまずそのままにして、ケアマネさんと私は一人暮らしの限界を見据えた今後について話し合いました。

私の希望としては、

  • できるだけ実家の近くで認知症に対応していただける施設
  • 年金のみの収入でやりくりできる施設

となりますが、それが無理なのではという不安の方が先に立ちます。

私の希望を聞いた上でケアマネさんが教えてくださったことは、

介護施設には公的施設と民間施設があり、費用面では公的施設が合致する。
C子さんの場合健康面や身体能力に心配はないので、グループホームが適しているが民間施設。
公的施設では特別養護老人ホーム(特養)が適しているが、要介護3~が入居条件。
403 Forbidden

ということでした。

C子さんは要介護1なので特養にすぐには申し込めず、グループホームの費用面で希望に近いところがないか探すことから始めることになりました。

ケアマネさんが近隣のグループホームを調べて、改めて資料を郵送してくださることになりました。

すると、そこへいきなり不機嫌そうなC子さんが現れました。

あの赤い車、おたくの?

ケアマネさん
ケアマネさん

そうですよC子さん

何の話か知らないけど、いつまでも車を置かれたら困るのよ

は? ちょっと、はぁ?

いい加減に切り上げてちょうだい

ケアマネさん
ケアマネさん

あーすいませんねぇ。今終わったところですよ。もう帰りますからね。

C子さんはこういうものの言い方をする人です。

わかってはいますが、大変お世話になっている方に向かって言っているのを目の当たりにして、私は全く言葉が出てきません。

改めて介護に関わるプロのお仕事なのだと感じ入りました。

ケアマネさんをお見送りしてC子さんとお昼ご飯を食べた後、帰る支度をします。

この頃のC子さんは、父が亡くなったこともよくわからない時がありました。

かと思えば「お父さんのおかげで一人になっても住む家があって有難いことだわ」と殊勝なことが言える時もあり、日によって落差が激しくなっていました。

父に関してだけではなく、自分たちで建てた家についても

ここはワタシの家でしょうか

などとヘルパーさんに聞いたりする日もあるそうです。

ケアマネさんに教えてもらったことですが、C子さんのペースで日々過ごせることがとても大切なのだそうです。

日によってコンディションが大きく変わっても、毎日できるだけ穏やかに安心して生活していけるような手助けをいただいているのです。

今までとは違う法事のことを話して混乱させてはいけません。

「今日は用事があるから早めに帰るね」と実家を出ました。

お寺に行く途中でお花やお供えを購入し、時間通りにお寺に到着しました。

迎えてくださったのは亡父と同世代の和尚様です。

広くガランとした本堂に和尚様の鍛え上げられた読経の声が響きます。

亡父には寂しいものになってしまいましたが、C子さんのこれからの日々を見守ってくれるよう暫し目を閉じて祈りました。

  

  

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