【母が特養に入るまで】(15) C子さんの感じる「わからないストレス」

遠距離介護

2017年9月から始まったC子さんの新しい一人暮らし。

週3回ヘルパーさん、週2回デイサービス、週1回生協の配達が基本です。

身の回りのことは一応自分ででき、足腰はいたって丈夫なので、時々駅前やら亡父のお墓の近くやらへ散歩に出かけているようでした。

朝晩と言わず、思い立った時いつでも母屋と道路の間にある駐車場をホウキで掃いているのでしょう。

ホウキの掃く部分がすぐデッキブラシのように短くなってしまい、ケアマネさんから購入の依頼が半年ごとくらいにありました。

生協の日用品カタログにホウキが中々載ってこないときは、ケアマネさんが “立て替え購入” で対応してくださいました。

生協で毎週注文するのも案外難しいものです。

定番品の中でC子さんの好物の焼き豚は毎週載っていないのです。

一方で途中から必要無くなった物の一つに、ペットボトルのお茶があります。

C子さんの生活習慣に “ペットボトルからお茶を注いで飲む” という経験がほとんどないのです。

ヘルパーさんが出してくださるときだけ飲むため、とても溜まってしまい途中から注文をやめました。

自分でお茶やコーヒーを淹れなくなった代わりに、水道からコップに水を注いで飲んでいるようでした。

トイレットペーパー・ティッシュ・洗剤・歯磨き粉などの雑貨や、マヨネーズ、めんつゆなどは不足しそうなタイミングで注文します。

それが注文した翌週にお値打ちになったりして‥

また、どこの生協でも同じかもしれませんが、母の地域では年末年始には通常の配達がなくなりお正月の特別カタログのみになります。

そのため、年末に約2週間分の食料を私がスーパーで購入してゆうパックで送りました。

ところが、数日してそのまま私の元へ帰ってきてしまったのです。

原因は、この夏に帰省した際に郵便局に行き、以後郵便物はすべて東京の私宛に転送していただく手続きを取っていたためでした。

すぐに郵便局へ連絡して再度送りなおしてもらいましたが、このままでは一週間ほど食料の補給ナシとなってしまいます。

ケアマネさんに事情を説明し、年末も押し詰まった時期に “買い物代行” で対応していただけて本当に助かりました。

新年を迎えるといよいよ息子の大学受験が始まりました。

帰省は考えていなかったので、前々から電話をかけるたびに「受験の年」とか「帰省はできない」とか何度も話しますが、その度に初めて聞くような返事をします。

3月、息子の進学先も決まり報告がてら連絡をした時にも、同じ話題をやはり初めて聞いたようなあいまいな感じでした。

以前のように安否確認をする必要はなくなったため、GW前に一度連絡しましたが留守でした。

そしてそれ以降、電話をかけても全く出なくなってしまいました。

これまでも中々通じないことはあったし、何かあれば連絡があるので心配することはないと思いつつも、あまりに出ないのでケアマネさんに相談してみました。

数日後届いたショートメッセージによると‥

受話器の着信を知らせる音量がなぜか最小になっていて、気づかなかったためでした。

「音量を上げておきました」とあったのに、それ以降も電話に出ないことが続き、再度見ていただいたところまたも音量が最小になっていたとのことでした。

C子さんが音量ボタンを操作したのでしょうか?

このところ電話で話していた時に、C子さんが話の内容を理解できずごまかすように話を切り上げることが続いていました。

こちらはそれも分かって話しているのですが、C子さんなりにストレスに感じていたのかもしれません。

ケアマネさんとも相談し、ここで無理に電話の音を聞こえるようにする必要もないということになり、しばらくこのまま様子を見ることにしました。

話している内容は端から忘れてしまっても、その時感じたストレスや感情は記憶に残ると聞いたことがあります。

C子さんが心穏やかに少しでも長く一人暮らしができるよう、この段階でできることは “ 特に何もしない ” ことでした。

  

  

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