ちょっと、お金のこと。

あれこれ

先日新居のエアコンを修理してもらったときのこと。

メーカーから来てくださったのは、大人しそうな若い方でした。

重そうな荷物を持って部屋に1つしかないエアコンを見上げます。

この羽が下を向いたまま動かないんです。

羽を外して付け根の部分を見ながら、リモコンを操作します。

モーターはちゃんと動いているようですね。では作業に入る前にオーナーさんに連絡することになっているので、ちょっと失礼します。

そう言っておもむろにスマホを取り出します。

こういう場合、一旦外に出て電話することが多いと思いますが、彼はその場で電話し始めました。

〇〇です。エアコンの修理でマンション『r』の×××号室に来ています。モーターは大丈夫なようです。ただ保証期間のことで‥

なんか、込み入った内容みたいですけど‥いいんですか?

図らずも、電話の向こう側つまりオーナーさんの肉声が聞こえてきます。

本来なら管理会社が間に入っているので、私が声を聞くことはまず無いでしょう。

ふと契約書に書いてあったオーナーさんの氏名、なんだったっけと思い出そうとしてみます‥

無理でした(笑)でもオーソドックスなイメージだったことは覚えています。

勝手に想像した通りの、落ち着いた礼儀正しい話しぶりです。

  

狭い部屋の中で、電話の内容はすっかり聞こえてしまいます。

どうも、このマンションでもう1部屋エアコンの修理があったようです。

そこは無料保証期間があと1年ついているけれど、今回の修理費用はかからない。

一方で私の部屋のエアコンは無料保証期間が終わった直後で、修理に費用が発生するというのです。

保証期間を過ぎると8千円ほどかかる修理という説明に、「8千円ですか」と声が聞こえます。

その雰囲気が私には意外でした。

東京のマンションのオーナーさんです。

私には想像もできないような資産家です。

そういう方が8千円を考える、その事実に小さな衝撃を受けました。

私は今、離婚という自分の人生の大転換を画策しています。

と同時に人生初、賃貸契約の貸す側になろうとしています(正確に言えば貸すのは実母でその後見人という立場です)。

実家の古びた空き店舗を人様にお貸しできるようにするには、当初予定していた数倍もの出費に膨れ上がってしまいました。

田舎のこと故、いただける家賃は配偶者のお小遣い程度で、回収できるまでに3年かかります。

  

もちろん普段の生活で8千円は大きいに決まっています。

ただ、この数カ月というもの私自身のこと・貸店舗のこと両方で、あれこれと大きな出費が相次いで正直感覚が麻痺していました。

いわゆる丼勘定になっていたのです。

気がつけば予算も日程もギリギリの状況になっていました。

それが今回オーナーさんの様子にハッとさせられたわけです。

お金を持っている方ほど慎重で、お金の遣い方・遣いどころをわかっているのだなと。

だからこそ経営が成り立っていくのですね。

感心したり、反省したり。

わが身に置き換えるなど不遜極まれりですが、勉強になりました。

  

  

  

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