『訴状』を家庭裁判所に提出して申立てることから始まる離婚訴訟。
先日、H弁護士から「訴状を作成したので確認してほしい」というメールが届きました。
離婚調停が不成立となって1カ月余り。
私が手続きに必要な書類の手配をしている間に、H弁護士は私の訴えを形にして下さいました。
私は訴状を見るのは生まれて初めてです。
漠然と、その文章は客観的で淡々としたものと思っていました。
離婚を希望するに至った理由を時系列に、箇条書きかなんかで。
でも実際の訴状は全く違いました。
実は半年ほど前、H弁護士にだけこのブログのことを報告しています。
争点にしやすい金銭問題に的を絞っているけれど、本当の離婚理由はむしろその背景にあります。
子ども達の事も含めてこれまでの様々な出来事を、H弁護士には知っていただきたいと思ったのです。
それには思い付きで話すより、ブログを読んでいただいた方が早いと。
お忙しいはずなのに、その次にお会いした時には記事をつぶさに読んでいただいたことが分かって恐縮したものです。
そういう経緯があり、訴訟に向けて改めてお話することはありませんでした。
なので、この１か月間にH弁護士が訴状を作成されていることは知りませんでした。
H弁護士が仰ってた「訴訟の準備をします」ってこの事だったのね。
メールに添付された『訴状』は私の予想とは全然違うものでした。
まずこの訴えは〝離婚等請求事件〟という名前になっていました。
なんだか物々しいですよね、さすがに。
〝請求の趣旨〟は難しい文が箇条書きに並んでいます。
私がイメージしていたのもこんな感じ‥というか、ある意味それ以上でした。
へぇ～「相当額を支払え」とか、命令形なんだ‥。
箇条書きの下に「との内容の判決を求める」あ～なるほどね。
〝請求の原因〟は何項目かに分かれていて、具体的な内容になります。
その中の〝離婚事由〟というのが予想外で、言ってみれば盛沢山というか。
ブログに書いた裏切りシリーズの内容が赤裸々に書いてあったんですね。
これは正直ちょっと驚きました。
状況はもちろん、相手方の様子、つぶやいた言葉、私のこころの内、交わした会話‥
圧縮された文章は、まんまブログの世界をジオラマにしたようです。
こんなに事細かく書くんだ。
会話文が恥ずかしすぎる‥！
そして調停ではあまり取り上げなかったモラハラについても。
かつて私や子ども達にとって日常だった〝つまらない日々〟
相手方にとって家庭は休息の場でしかなく、優先されて当たり前。
家族の尊厳を軽視した言葉や態度が子ども達の柔らかいこころを傷つけ、おとしめて、後の絶縁状態を招いたこと。
暴力や暴言には至らなくても長年に渡る相手方の威圧的な言動は、訴状の紙面に載せることが出来る立派なモラハラだったのです。
別居に至るきっかけも具体的に書かれている。
それに付随する私のこころの推移も。
考えてみれば『訴状』は、裁判官に私の訴えを分かっていただくために書かれた文章です。
生身のこころの痛みを理解していただくことが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」（民法第７７０条１項５号）を認めていただくために非常に重要なのです。
①夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
別居期間が５～７年あれば、別居そのものが重大な事由と認められるのです。
でも私にはそれが無い‥。
それゆえ裁判官に重大な事由に値するものがあることを訴え、認めていただいて離婚を勝ち取るというのが今回の離婚裁判の目的です。
最後の調停で離婚を迫る私たちの主張に対し、相手方の決心がつかず、私とH弁護士は控室で長い時間待たされました。
そのときH弁護士が仰っていた言葉を思い出します。
あっちに調停で決める気が無いなら、即刻裁判に持っていきます。
その時は徹底的にやりますよ。
かっこいい‥。変な意味じゃなく（笑）
この安心感。これぞ、専門家にお任せする意義というものです。
生々しい『訴状』もH弁護士流だったのかもしれません。
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