翌日の朝、8時半に目覚ましが鳴りました。
いつもより2時間も遅いのに、体が重力に負けて起きられないほどです。
欠勤の連絡を入れ、再びぐったりと横になります。
お昼近くにようやく少し楽になって、やっとコーヒーを淹れました。
メールを確認すると、H弁護士から返信がありました。
昨夜、手続きを進めていただくようメールしたのです。
内容は、相手方に対する「ご連絡」を作成したので確認してほしいというもの。
ワードで作成されたそれが添付されています。
完ぺきなる事務的な文章で、私の感情は微塵も存在しません。
これを読んで、相手方はどう出るか。
「下手に出ているのに、なんだよ!」と怒りに燃えている顔が想像できます。
私はこの添付された「ご連絡」を見て、正気をとり戻した感覚でした。
さっきまで自分のこころにフォーカスし過ぎていたと。
意識をズームアウトすることを思い出したという感じです。
そこにボーが起きて来たので、早速メールを見せました。
よかった。お任せしましょう。
それにしても、きのうのアレはひどかった。
まだ何か重たいものがズドンと残っててちょっとキツイ。
やはりボーも激しい疲労感が抜けずにいたのです。
それでもH弁護士のメールとコーヒーのおかげで、ふたりとも少し元気になりました。
気分転換に夕飯の買い物でも行こうと、ふたりで出かけます。
引越し以来、総菜やお弁当を買うことが続いていました。
「そろそろ作って食べよう」
時間と手間をかけないメニューにして、夕飯の材料と定番の調味料も買いました。
家に帰って、ポッペにLINE通話します。
どう?あれから大丈夫だった?元気出た?
やっと少しよくなってきた。
昼過ぎに起きたけど、しばらくはダメで。
昨日は夜中に3時間くらい、さめざめと泣いてすごく落ち込んでた。
感情を揺さぶる術中にはまって頭にくる。
ポッペは私たち3人の中で一番繊細で壊れやすいのです。
この気持ちは何だろうって考えたんだけど、一番近いのを見つけた。
姨捨山に親を捨てに行ったような気分。
これが一番ピッタリくる。
相手方と私は赤の他人。
言うまでもなく、ポッペとボーは切っても切れない肉親である以上、感じ方、とらえ方が私とは当然違います。
ポッペとボーの間でも、やはりかなり違うのです。
ボーはそもそも父親と距離がありました。
小さいときから、父親に関しては体温でなく思考で理解しようとしていたそうです。
でも、当時は「父親ってそういうものなんだ」って思ってたから
特に耐えるとかではなかったな。
それがここ1~2年ひとりの人間として対峙することが増えました。
そしてその姿は、もはや父親のそれとして受け入れがたく、それがキツイと言っています。
ポッペは「父親に関する子としての感情」はすでに清算済みと言っていました。
でもそれは〝負の感情〟についてでした。
今のポッペにとって辛いのはそれではありません。
幼いころの嬉しかった記憶、楽しかった瞬間。
今でも大切に心にしまっていた宝物が、切ない思い出となって感情を揺さぶるのです。
〝姨捨山に親を捨てに行ったような気分〟
それでも導いた結論に間違いはないと断言する理性。
最適解がわかるからこそ、心とのギャップを埋めていく作業は痛みが伴い、時間が必要なのです。
子ども達と今夜もLINE通話で話しながら、私の気持ちも整理されました。
私の進む道はただ一つ。
流れを読むのはプロにお任せして、粛々と前進していく。
これに尽きます。
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