主不在の実家の様子は惨憺たるもので、泊まることなど考えられません。
帰京してからもポッペが心配してくれました。
ポヨ、一緒に行ってあげるから一人で抱えちゃダメだよ
ふたりで片づけに通う? でも2度や3度で片付くスケールではないのです。
物量、移動費、往復10時間…コスパを考えれば、結論はすぐに出ました。
そうはいっても中々すぐには動けません。
冬、C子さんの入所先からの書類対応や冬物衣類の郵送など、雑事に追われて過ぎていきます。
春、ようやく業者さんを探す余裕ができ、その地域をネットで調べました。
“処分するもの” “買い取るもの” それぞれの量を把握する必要があります。下見の時までにザっと決めていただくと当日スムーズに作業できます。
レビューの良い会社は数社しかなく、予算を聞くには当然下見が必要です。
下見のために帰省するわけです。私とポッペの予定を合わせると、動けるのは夏。
本来なら相見積もりしたいところですが、同じ日に複数社と予定を合わせるのは無理でした。
結局、一番レビューの良さそうな会社に下見を依頼し、私たちはその日休暇を取りました。
下見当日
例のごとく私とポッペは始発に乗り、9時半には現地入りしました。
ひとまず業者さんが来るお昼までに “処分するもの” “買い取るもの” を決めていきます。
各部屋にそれぞれ収納があり、一見片付いているようにも見えます。
でも、引出しという引出し、扉という扉すべての向こうには大量のモノがあふれていました。
衝撃だったのはC子さんの寝室です。
薄汚れたカバーに覆われたベッドと息もできない埃の匂い。そして細かい虫の死骸!
極めつけは腰までの高さに積もった着古した下着の山!
見たことのない景色にゾッとしたポッペとポヨ。この部屋のモノは完全撤去と決めました。
他の部屋の大型家具と置物は査定希望、家具の中身はおおむね処分の方向でいくことにしました。
お昼になり、業者さんが到着。
ザっと間取りを説明すると、見積もりのメモを片手に下見が始まりました。
量がありますね。すべて処分されますか?
応接セットやサイドボード、置物などを査定してもらいたいのですが
かなり経年劣化が進んでいますのでお値段はつけられません。
査定を希望するなら、ほかの業者に当たってみるしかないようです。
当初の目的は防犯上・衛生上の対策。中身を処分することでそれは達成できます。
2Fの寝室はすべて処分します。家具は一部指定するものだけ処分してください。中に入っているものは選別しておきますので、すべて処分をお願いします。
作業員4名で7時間かかりそうですね。2tトラック2台で伺います。
その条件で業者さんがはじき出したお値段、なんと38万円…ベラボーな金額です。
C子さんが民間施設に入所して急激に支出の増える中、こんなにたくさんの支払い…。
今の世の中、ヤフオクやメルカリで賢く手放す方法もあるでしょう。
置物や食器類、C子さんの着物でも、細々と売りに出せばあるいは値段もついたかもしれません。
ただ私たちの場合、やはりコスパ的にその選択肢は現実的ではありませんでした。
では見積りの有効期間は1カ月です。日程は改めてご連絡ください。
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