昨日、仕事帰りに美容院に行ったとき…。
前髪の分け目は変えないかと聞かれました。
ず~っと右分け目だったのを1年くらい前に左に変えたのです。

オデコ部分の髪が薄くなってしまって。
それで左に変えたんですよ。

あ、なんとなく思い出しました。
長いこと反対側だったんですよね。
そんな会話をしたせいでしょうか。
いつも見せてもらうiPadの手が止まり、考えるともなくぼ~っとしていました。
別居する前に通っていた美容院のお兄さんは元気かしら…などと思い出します。
あの頃は、私もパート勤務だったな…。
前に住んでいたマンション、駅から20分も買い物袋下げて歩いて…よくやったよホントに。
それに比べたら今は天国だな~。
仕事の疲れとシャンプーの気持ちよさも相まって、すっかり寝入ってしまったのでした。

私が家を出たのは昨年の10月4日。
その発端となったのは 2021年1月某日。
日にちも覚えていないあの日、相手方の放った一言が私の運命を変えました。
その瞬間、私は別居を決意します。
でも全ては自分のこころの中だけの出来事。
決行までの1年10カ月、逡巡することも止めることもできたのです。
でもしなかった、というより一歩踏み出した瞬間からその先の世界は希望に満ちていました。
「どうしよう」と迷う余地もない、私の魂が求める気持ち。
「そこにたどり着きたい」という思いしかありませんでした。

過去の私は1歩を踏みだすどころか、そこに出口があることも知らずにいました。
出口を探すことも、その発想すらありませんでした。
自分の人生はこんなもの、熟年離婚は他人事と思っていたのです。
相手方の不用意な一言が私を覚醒させ、眼を見開いた瞬間に扉を見つけて思い切り開け放した…。
気づくと私はその外に立っていたのです。

あの日、相手方があの一言を発しなかったら…
私はまだあそこに居ただろうか。
私が選んだ新しい道も、偶然の結果なのか。
透明な水で満たされた私のこころに、黒いインクが一滴ポツリと落ちてきます。
「自分で選んだようなことを言って、結局きっかけは与えられたではないか」
「相手方の言葉がなければ1歩も踏み出せなかったではないか」
ポツリ、ポツリ・・・
黒インクが一滴、また一滴と落ちては歪んで広がっていきます。

戯言を発破に変えたのだ。
覚醒したのは私だ。
踏み出したのも私なのだ。
思わず声に出しそうになって、夢から覚めました。
暑かった夏が終わり、秋の気配に「1年経つのだな」と実感するようになりました。
これを書いている今は平日の昼間。
ダイニングでコーヒーを飲みながらベランダ越しの風景を眺めています。
曇っているけれど、空は広く鳥たちが横切って…癒されます。
雑音の少ない落ち着いた休日。
この時間と空間を手に出来たのは、2021年のあの瞬間、心を決め踏み出したからです。
自分で自分の道を行く。
この清々しい幸せに感謝、こころから感謝しています。
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