10月4日まであと2週間。
いま住んでいる家には、私と息子のボー、配偶者の3人が生活しています。
娘のポッペが家を出て2か月余り。
家の空気は季節を先取りしたかのように木枯らしが吹いています。
Xデイまでをどのように過ごしていくか。
これは前から懸案ではありました。
配偶者の日常は、毎週平日のどこか一日だけ在宅勤務があり土日祝はお休みです。
週末はずっとTVをつけっぱなしにして、たまに観ながらほぼ寝ているようです。
ボーは配偶者がいる日はずっと自室にこもり切り。
私の出勤日はランダムで、週末を含めた5日間働き平日のお休みがほとんどです。
たまに私と配偶者の休みが重なった日は、私も家事をするときだけ部屋から出てくるような有様。
ボーと配偶者はほとんど口をききません。
私も必要に迫られなければ無言です。
でも夕飯だけは3人で食卓に着いていました。配偶者がコロナにかかるまでは。
配偶者は先月、父親がコロナに感染したと知らせがあり帰省。
直後に配偶者自身も感染し、自宅療養となったためしばらく実家で過ごしていました。
症状は軽く月末には帰京の許可が出て帰宅することになります。
帰宅した日、配偶者から夕飯を別々で食べようと言ってきました。
ダイニングテーブルに配偶者の食事を、ボーと私はそれぞれの部屋に運んで食べました。
それを数日続けているうちにふと気づいたのです。
べつに、このままでいいじゃん。
配偶者にしてみれば、数日そうすれば元通りの日常に戻るつもりだったようです。
週末もボーと私がそれぞれの部屋に夕飯を運んでいくのを、何か言いたげに横目で見ていました。
でもそういう時、何も言わないのです。
もちろん遠慮しているのではありません。
自分に原因や非があると配偶者自身で自覚している事ほど、決して自分からそれに触れないのです。
今回の場合のように致し方ないことだったとしても。
結婚以来、何度かギクシャクしたときもそうでした。
わだかまりを払拭しようとか、誤解を解こうとか、真意を伝えようとか一切ありません。
じっと何もしないでいれば勝手に状況が良くなると思っているのでしょうか。
ただ何もしない。
それはまるで冷たいコンクリートの壁にじっと身動きもしないでいる、夏の蛾のように。
この状態は今日まで約3週間続いています。
配偶者もこの状況を気にしたように見えたのは、始めの週末だけでした。
すぐに「だったら、いいよ」という声が聞こえてきそうなほど、無関心になりました。
別々の食事はごく自然な成り行きで始まり、今ではスタンダードになっています。
Xデイを迎えたとき「昨日まで、おくびにも出さなかったのに」とはならないでしょう。
誰が見たって寒風吹きすさぶ食事風景なのですから。
私もボーも、荷物の片づけや移動が佳境に入ってきました。
自室の荷物を選別し、少しずつ新居に運んだり処分したりしてかなりすっきりしてきました。
配偶者が寝ている和室。
配偶者のスーツが占めている洋服ダンスの両脇に、引出しのタンスが2棹。
その引出しも、配偶者のもの以外は空っぽになりました。
部屋もタンスも、扉一枚開ければ状況はわかってしまいます。
別居の準備を進めながら、万が一気づかれたらと思うこともあります。
でも、今のところ全く気づいていないようです。
あとは押し入れや台所の雑貨、まだ残っている思い出の品。
残された休日は、これらの整理や移動が待っています。
新しい住まいに少しずつ生活の匂いがしてきました。
私の第3の人生に必要なものと、もう役割を終えたもの。
その分別は時に鈍い痛みを伴うこともありますが、私自身はもう答えを持っているのです。
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