【母が特養に入るまで】(5) 行政との繋がりができ、その先に見えたものは‥

遠距離介護

母の一人暮らしについて相談するため

母が住んでいる市の地域包括支援センターに連絡しました。

一人暮らしの支援の仕方は様々なので、まず聞き取り調査をするそうです。

平日に地域の担当の方が実家に訪問して本人と家族(私)一緒に面談です。

面会日は私が日帰りできる日時でお願いしました。

当日は最寄り駅を始発で出て実家まで片道5時間、午前中の面会となりました。

母には以前から、一人暮らしで何かあっては大変だから

市役所に相談してみるねと言ってありました。

☆面談当日

女性2人が時間通りに訪問。

一人暮らしの高齢者を訪問している地域の担当者です」と自己紹介されました。

普段困っている事不便に感じる事などを母に尋ね母がそれに答えたり、

私の家族構成や連絡先、現況などをお伝えしました。

母の健康状態や身体能力、家族構成、生活環境などの把握も必要なのでしょう。

母が話しているのを聞きながら、出来る事出来ない事などの項目を見ると

やはり心配する必要は無いかもという思いもよぎりました。

ただ猜疑心や警戒心の強い母が

担当の方達の話をすんなり受け答えしている様子は母の不安の裏返しだったかもしれません。

これでひとまず行政と繋がりができました。

物忘れが少し多い気がします‥なんて

相手にしてもらえるのかな?という不安は一掃されました。

これからは一年に一度2人で面会していただき、何かあれば都度母の状態を相談することができます。

パーソナルな窓口ができたことで

母より私自身の心持ちが大きく変わったと思いました。

それまで私の一番の関心事は母の物忘れは認知症なのかどうかでした。

「もし認知症だったら」早期発見早期治療と思い

何度かそれとなく診察を勧めてみました。

しかし元々病院嫌いで足腰も丈夫な健康体では

病院へ行くきっかけ作りも容易ではありません。

考えてみれば母の症状が何であれ、母は実家でひとり暮らしていくのです。

病院に連れていくことより安心して生活をしていくためのよりどころが必要でした。

そして今回母に必要と思われた支援は「一年に一度訪問して見守る」。

一年に一度って‥その間は何もしなくていいってこと?

はじめは正直、たったそれだけ?と思いました。

でも私にはそれが返って安心材料にもなりました。

その程度で大丈夫なんだ

少し大袈裟だったかも」と。

今ならそれは間違っていることがわかります。

これは「年一回の見守りで大丈夫だろう、今のところは。」という意味なのです。

これ以上の変化はないというわけでも、ましてそれ以降を保証するものでもありません。

先々その「支援」が徐々に手厚く必要となり、延長線上に「介護」が見えてくる。

その入り口に立ったのでした。

  

  

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