「C子さんのお店、貸してもらうことできますか?」
実母C子さんのケアマネジャーだったOさんから、久しぶりに思わぬ連絡が入りました。
いまC子さんは特別養護老人ホームに入所しています。
空家になった実家の母屋の横に、亡父が生業にしていた小さな店があります。
10年ほど前、それまで借りてくれていた人が移転して以来そこも空家になっていました。
C子さんが認知症と診断されてからOさんには本当にお世話になりました。
一人暮らしを続けるための支援から始まって、特養に入るまでの約3年間。
C子さんはもちろん、遠距離介護となる私もとても支えていただきました。
そんな信頼のおけるOさんからのお申出なら、何も心配はありません。
お店といっても小さなスペースです。
一度見てみて‥ということになりました。
日取りは2日後。
大変急ですが、私の休みとOさんの都合もお聞きして急遽帰省となりました。
それからは大変です。
実はその玄関を開ける鍵が無いのです。
以前、実家の整理をしたとき、全ての鍵を試しましたがダメでした。
とはいえ、中に入れなければ話になりません。
解錠と鍵の交換が必要です。
ネットで評判の良い鍵屋さんを検索。
実家もエリアに入っていたので早速電話しますが‥
事はそう簡単ではありませんでした。
所有者であるC子さんと私が親子である証明が必要とのこと。
それがなかなか手間取ります。
私自身を証明するマイナンバーカード、C子さんを証明するための書類も用意できました。
でも2人が親子であることを証明するには、戸籍謄本が必要なのです、
戸籍謄本とは本籍地の役所でしか手に入らないらしく、取り寄せている時間はありません。
当日まず役所へ立ち寄ってから鍵屋さんに来てもらい作業をお願いすることにしました。
作業が終わるころに見てもらうという段取りです。
当日は、新幹線と在来線を乗り継いでお昼前ころ実家の最寄り駅につきました。
役所に行きC子さんの戸籍謄本をとると、亡父とC子さんの名前だけで子である私の名前がありません。
本籍地を実家に移した時のタイミングが、私の結婚の後だったのです。
これではC子さんと私が母娘である証明になりません。
窓口の職員の方に事情を説明すると、私の戸籍謄本には両親の名前が載っているそうで、それを入手するのが一番早いということでした。
私の本籍‥配偶者の実家がある街です。
そこまで行くしかないのです。
同じ県内とはいえ、往復で3時間かかります。
今日中に鍵を開けてOさんに中を見てもらわなければ、何のために帰省したのかわかりません。
私のスケジュール的にも出なおすことは不可能でした。
Oさんに約束の時間を変更していただけるか連絡すると、なんとか都合をつけてもらえました。
急いで私の本籍地になっている自治体へ向かいます。
市町村合併ブームで馴染みのない名前に変わったこともあり、詳細を思い出すのに四苦八苦です。
それでもなんとか私の戸籍謄本をgetすることが出来ました。
そこには念願の親子関係が記載されています。
それを手にまた私の実家へ舞い戻ります!
鍵屋さんへ連絡して必要書類が整ったことを告げ、解錠と鍵交換を依頼します。
17時ごろに来てもらえることになりました。
陽が傾き始めたころ一足早く私も実家に着きました。
実家はしばらく見ない間に庭木がジャングルのようになっていて、地面のブロックの隙間から草が伸びていました。
鍵屋さんが到着。まず必要書類の確認です。
念のためこの建物の『登記済み証書』も持ってきたことを告げました。
登記済証お持ちなんですね、そちら見せてもらえますか?
あと、お客様の身分証お願いします。
母と私の戸籍謄本はこちらです。それと母の健康保険証と‥
あ、この2つで確認できますので。あとは結構ですよ(ニッコリ)
(ええええ~~~~~⁉)
でも親子関係が証明できないと受け付けられないって‥
戸籍謄本は、こういう書類をお持ちでない方もありますので‥
そんなこと、初めて聞いたよー---‼
と心の中で叫んだのでした。
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