今朝近所の公園の白梅が満開になっていました。
すごく綺麗!と思わず写真をとります。
出勤途中なので1枚だけにして、ちゃんと写っているかなと思いながら先を急ぎました。
歩きながらなんとなく違和感を感じます。「何かが‥いつもと違う?」
そしてすぐにそれが、どこからくるものかが分かりました。
この梅がこれほど満開になるまで気づかなかったのは今年が初めてだったからです。
毎年寒さが一番厳しくなる2月、立春ころ。
春とは言っても凍えるような早朝、通勤途中にこの梅が咲き始めたのを見つけると本当にこころが癒されていました。「春がきた!自然って本当にすごいな」と。
ところが今年は今日の今日まで、まったく気づいていませんでした。
いつものように「梅、いつ咲くかな」と楽しみに傍らの公園に目を向けることもなく、いきなり満開の白梅を目にしたのです。
それにしても、3月も1週間過ぎました。
満開の梅は美しいけれど、なんか咲いてるの‥長くない?
それとも今年は遅咲きだったのかしら‥
とはいえ、我が家にはそれどころではないボーがいます。
『就活』です。
3月1日0時00分、ボーの部屋からなんとも言えないうめき声が聞こえました。
私はポッペとまだリビングでくつろいでいて、そのヘンテコな声を聞いたのです。
どうしたどうした!?
ふたりでボーの部屋をノックすると、
とうとう就活が始まってしまった‥
そういうことか‥びっくりした
おどかすじゃ~ん、ナニゴトかと思ったよ
「なーんだ」とは言えませんでしたが、本気で何事かと思っただけにホッとしました。
その「ホッとした」というのは訳があって‥
実はボーは昨年度、3年生を留年してしまいました。
コロナの影響も大きいでしょうが、勉強に集中できない理由は様々あったのだろうと思います。
授業はほとんどリモートで大学には行かなくなりました。
かろうじてバイトのために外出しますが、ディスカウントストアの接客業のため15分おきくらいに手洗い、消毒をして手の平がボロボロになってしまいました。
今から考えるとこの時期、配偶者の急激な劣化が目立つようになったころと重なります。
心身ともに急速に老人と化していく父親との様々な出来事や軋轢が、ボーの内面に大きく影響していたようでした。
父親に対する見方・考え方が大きく揺らぎ、失望し、怒り、軽蔑となっていったと後から教えてくれました。
ボー自身の生活も、寝不足というより不眠症に近く、毎晩遅くまで眠ることが出来ず翌日は昼すぎ、時には2時過ぎに起きだすような日々でした。
悶々と考え続ける時期もあれば、時間を塗りつぶすようにゲームばかりやっていたような時期もあったようです。
就活を来年に控えている学生の生活ではありませんでした。
ただ私自身は仕事があり、薄々感じながらも母親が口出しして解決することとは思えませんでした。
むしろリモート勤務のポッペの方が弟の『テイタラク』を間近に見てヤキモキしていました。
あの様子じゃ来年の就活、苦労すると思うよ
就活どころか、去年の今頃はすでに留年が確定し、1年間余分に大学へ通わなければ卒業できないことがハッキリしたのです。
ボーとじっくり話をしました。
絶対に来年はきちんと勉強して就活に臨むと約束をしたので、私は応援することにします。
ボーは複雑な心境を不器用に押し殺しながら、配偶者に事の次第を話し1年余分に大学に通いたい旨話していました。
配偶者は、なぜか中退を迫ってきました。
第一志望だったこの大学に入るために、高校生だったボーがどれだけ奮起してどれほど耐えてやり通してきたか‥私は間近で見てきました。
青春の一時期、内面の葛藤や迷いはあって当たり前、回り道は悪ではありません。
本人が気持ちを入れ替えて勉強すると言っているのです。
私は配偶者に「お金を出さないなら、私が出して必ず通わせる。中退はさせない。お金出すの?出さないの?どっち⁉」と迫りました。
配偶者はしばらくの間考えると言って席を立ちました。
結局その後配偶者は、私からボーに父親の言葉としてこう伝えるように言います。「カネは出す。卒業したらさっさと出てってくれ」
これはちょうど1年前の出来事です。
この1年間、ボーは自分で様々熟考し、勉強し、積み重ねて、人の意見にも耳を傾けました。
今のボーは昨年とは全然違います。
留年は、確実にボーを成長させる1年になったのです。
今年の梅は遅咲きかもしれないけれど、満開に咲き誇っています。
人にも一人ひとり状況に適した時期は違います。
ボーの花は、この1年間があってはじめてつぼみをつけることができました。
いつ咲くか、お天気を感じて自分を信じて、のびのびと咲かせることが出来ますように‥。
↓よろしければクリックお願いします…<(_ _)>
コメント