自由の翼~それは私自身の中に

卒婚

娘のポッペが家を出て、彼女の部屋は私の部屋になりました。

残された家具にはまだポッペのものがチラホラあります。

パイプハンガーには何も残っていません。

早速、そこに私の服をかけました。

  

私の洋服は、いままで和室にありました。

押し入れのふすまを片面によせて、開いている側の桟にハンガーにかけた服をかけるのです。

半袖・長袖のブラウス、ワンピース、スカート、パンツ‥

服が好きで、どれもお気に入りの大切なものです。

でも持っている服は多くありません。

コートやセーターのようなものは、シーズンオフにはタンスに入れます。

それ以外はすべて押入れの桟にかけて置けるくらいです。

今年一目ぼれしたジャケット。夏が早く来すぎて出番が少なかったです。

その和室に配偶者が布団を敷いて寝ています。

そこに私も布団を並べていた頃から、実は臭いに悩まされていました。

どんな臭いなのかは‥悪臭とだけ言っておきましょう。

ポッペやボーから「良く耐えたよ」と言われる理由の一つです。

  

そこに私の愛する服たちが、“野ざらし”のようになっているのが可哀そうでした。

「それ以外に置き場がない」と思い込んでいたのです。

でも、さっき、本当についさっき恐ろしいことに気がつきました。

和室に置いてある洋ダンス。

私が結婚した際に持ってきたときから、ほとんど配偶者のモノが入っているのです。

長ものを入れるスペースに、配偶者のコートと一緒に私のコートと喪服が入ってはいます。

でも上下に2本あるパイプには、春夏もの・秋冬ものの配偶者のスーツとYシャツが並んでいます。

「配偶者のタンスになってる‥私がもってきたものなのに‥!」

「配偶者の臭いに悩んできたのに、配偶者の服はタンスで守られていた‥!」

  

こんな見ればわかることに全然気づきませんでした。

「スーツは男の戦闘服。くたびれたり、色あせしないように‥」

と思っていた時期はとっくに終わっているのに。

無意識下で私を縛っていたのは私自身だった‥。

これがほぼオールシーズン着まわしている、私の“お気に”たちです。

今、モノがなくなったポッペの部屋に、少しずつ私の荷物を移動させています。

新居に持っていける荷物の量は限られるから、厳選するという意味でもあります。

もっと切実で怖いのは、一旦家を出たら忘れ物をしても取りに戻れないということです。

‥そう考えていました。ついさっきまでは。

でも、これは典型的な今までの私らしい考え方だと気づきました。

「スペースは限られているから厳選しなきゃ」

「結婚指輪を置いて出る以上、その日以降ここに戻ることは許されない」

新しい生活、新しい人生を選んだというのに、これでは緊張して体を壊しそうです。

それより、ポジティブに考えることにしました。

「この部屋にある物を新居に持っていく」

ひとまず持っていくものは全て、まずこの部屋に移動させておきます。

この部屋に入る量ならば、新居にも入ります。

忘れ物のチェックは、時間をかけて前もってこの部屋でできるのです。

  

私の窮屈な古い思考回路は脱ぎ捨ててしまおう。

もっと気楽に、自分のやりたいように生きていこう。

「もう、そうしていいんだよ?」

そう自分に語りかけた時、しみじみとホッとして笑顔になっているのでした。 

  

  

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