《 離婚裁判 》本番 ~主尋問~ 予想だにしない展開

卒婚 ⇒ 離婚

H弁護士と尋問の練習をしてから、録音を何度も聞いたり頭の中でエア裁判をくり返して本番を迎えました。

当日、娘と一緒に東京家裁の1FロビーでH弁護士と落ち合うと、挨拶もそこそこに

H弁護士
H弁護士

先ほど被告側の弁護士に会いまして、被告が出頭するそうです。

ロビーに入らないよう止めてもらっています。早速法廷に向かいましょう。

心の隅で「やっぱり」と思いながら、2年半ぶりに対面することになった事態に身構えました。

開廷10分前に法廷に入ると、まだ前の裁判が終わっていません。

どうやら前の裁判を傍聴しながら事務手続きを済ませる段取りのようです。

H弁護士から渡される書類や宣誓書に、署名捺印している間に私たちの番になりました。

  

法廷は教室より一回り狭いくらいの広さで、傍聴席には横2列に椅子が並んでいます。

木でできた低い柵をはさんで、正面奥の一段高い位置に裁判官の席、そのすぐ下に記録をされる方の席があります。

少し離れて向かい合う形で置かれた証言台には椅子とマイクが設置されていました。

証言台の左が原告、右が被告で、どちらも裁判官側が弁護人、傍聴席側が本人です。

H弁護士と私が原告席に着席した頃、被告席に弁護人と本人が入ってきました。

私は直視せず、目の端にスーツ姿の被告をとらえました。

昨年来、手術や入院をしたらしいですが回復したのか特段弱った印象ではありません。

裁判官が入廷し、いよいよ裁判が始まりました。

  

お堅いイメージとは少し違って一般人にも居そうなタイプの裁判官は、開口一番、被告に対し苦言を呈しました。

裁判官
裁判官

被告人‥ご主人ねぇ、弁護士さんが本当に困っていらっしゃったんですよ。

これからは連絡があったら必ず出るようにしてくださいね。

私は裁判官の方に視線を向けていて、被告は頷いたのか返事は聞こえません。

そして次の言葉は、思ってもみないものでした。

裁判官
裁判官

被告人、この裁判は〝離婚することを前提に〟進めていくということで良いですか?

この時まで、私はこの裁判で〝離婚の可否〟を争うものと思っていました。

なんとしても〝離婚を勝ち取る〟というのが最大の目的だったのです。

実際、調停でもそれを巡って対立しました。

結婚期間に比べて別居期間が短く、浮気やDVなどによる決定的な証拠もありません。

借金とモラハラで訴訟に踏みきり、勝ち目は五分五分と言われていました。

  

被告側が期日に出頭しないまま弁論終結(主張・立証が終了)となりかけた事が功を奏したのでしょうか。

離婚を前提に裁判を進めるとなれば、着地点は金額的な落としどころということです。

「離婚はしない」と抗ってきた被告はどのように答えるのか‥

被告がすぐに返事をしないので、弁護士さんが身を乗り出し同じことを再度問うと「あぁ、はい」とかすれ声で返事をしました。

この瞬間、この裁判は離婚が前提となりました!

  

裁判官
裁判官

では原告は何も持たずに証言台へ

とうとう、この時がやってきました。

私は緊張しながらも、落ち着いている自分が意外でした。

宣誓書を読み上げそのまま着席して、H弁護士の尋問が始まります。

  

練習通りの質問に、私は着席したままマイクに向かって答えます。

頭の中には過去の出来事が浮かび上がり、何度も一人で繰り返した言葉が自然に出てきました。

H弁護士
H弁護士

結婚当初の夫婦関係というのはどうでしたか?

基本的には円満でしたが、転勤するまで被告の実家で父親と同居しており、ふたりが競馬や競輪の話をしている様子が馴染めませんでした。

H弁護士
H弁護士

あなたは家計についてどのようにされていましたか?

被告の実家の固定資産税も払っていましたので、お給料をそのような特別費と、家計と、将来必要になる教育費の積み立てに分けて管理していました。

H弁護士
H弁護士

この雑誌に掲載されているのはあなたと被告ですよね。

どのような経緯で掲載されましたか?

国会図書館まで探しに行った証拠が役に立ちました。

この後は被告の借金、貯蓄・保険の使い込みが発覚した時の経緯を話していき、モラハラについても触れていきました。

H弁護士
H弁護士

お子さんらと被告との関係はいかがでしたか?

娘と息子が抱えて来たトラウマや、理不尽な扱いをつまびらかにするには余りに短い時間です。

それでも口をついて出た象徴的な出来事は、被告が絶望的なほど〝己の快・不快〟しか興味が無いことを伝えられたと思います。

  

H弁護士の尋問が終わり、集中していた意識が少し途切れたとき、私の右耳から異様な音が聞こえてきました。

被告の荒い呼吸の音です。

出頭しても発言の機会が無い被告の心情を表すような不規則な音。

私の心にハッキリと嫌悪感が現れたものの、今の私には、それすらもどうでもよいことでした。

ざわついた感情を一蹴し、私は再び裁判官をまっすぐに見つめました。

裁判官
裁判官

それでは被告代理人、反対尋問を始めてください。

  

  

  

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