私の仕事は基本BtoBなのですが、時々個人のお客様に電話でご連絡する場合があります。
通常の仕事をしているとき上長が資料を片手に現れ、指示を受けます。
その時々で内容は変わりますが、基本は同じです。
ご連絡先に電話して確認事項をお聞きし、簡単なご説明を添えて数分で終わります。
電話に出ていただけるのは4~5割ほど。
ほとんどが何事もなく終わります。
でも滅多にないことなのですが、運が悪いと‥。
そう、厄介なことになる場合があるんです。
その厄介なパターンが、今日巡ってきてしまいました。
ポヨさん、こちらのお客様に電話をかけていただけますか?
これとこれをお聞きして確認出来たら、こちらをご説明してください。
お聞きする内容や説明は、取り立てて複雑ではありませんでした。
むしろシンプルなパターンです。
ただ、背景が少し込み入っていました。
渡された資料を手元に置き、頭を整理して連絡先に電話をします。
電話に出てくださった方は、こちらが名乗り終わると開口一番、
「これからは、この方に電話して」
新たな電話番号と名前を告げ、「よろしくお願いします」と電話を切ってしまわれました。
唖然とする私。
なんか、イヤな予感・・・
気を取り直して教えていただいた連絡先に電話します。
新しい連絡先となった方は、確認事項には速やかに答えていただけました。
ただ、ご説明の内容にどうしても納得していただけません。
というより、説明の中の「万が一こうなった場合には…」という部分が受け入れられないと仰って先に進めないのです。
「言い逃れを用意しているに過ぎない」
「〝そうならないように手立ては尽くしているが、万が一〟ということも無いようにすべきだ」と。
私は何度か話そうとするのですが、遮られてしまいます。
「‥その場合は『必要ない』とお伝えいただければ結構です」という一文が伝えられないまま、お客様は「忙しいから」と電話を切られてしまいました。
いくら少ない確率であっても可能性がある以上こちらには説明責任があります。
ひとまず事の次第を上長に報告しました。
すみませんでした、ポヨさん。大変でしたね。
かけ直しは必要なのですが、私が代わりましょうか?
与えられた仕事を途中で放り出す?
今までなら「最後までやります」と言うしかないと思っていました。
それが〝社会人として責任もって仕事に向き合う姿勢〟とずっと信じていました。
というか前の職場もその前も、今まで関わった仕事ではそれが求められていたと思います。
なので「代わりましょうか?」と言われたことにも驚きがありました。
え⁈どうする??と一瞬戸惑ったほどです。
今までの私だったら言いそうな「とんでもない、大丈夫です」というフレーズが頭をよぎりました。
その瞬間「それ、もう終わりにしない?」と声(?)が聞こえたように感じハッとしました。
冷静に自問自答します。
「あの雰囲気で、同じ人間がまた電話して、冷静に聞いてもらえると思う?」
もうムリだな、これ。
いいじゃん、代わってもらえば。
若い上長に「すみません、お願いしてもいいですか?」と言っていました。
分かりました。大丈夫ですよ、ありがとうございました。
じゃ資料いただいていきますね。
「無理です~」という気持ちを出して上長に預けることで、上長は案件と一緒に私の気持ちも預かってくれました。
緊張で強張っていた気持ちは安堵感でスッキリ軽くなっています。
それは「サッサと手放せて良かった!」というような類のものではなく、巻き取ってもらえたことの安心感と上長への信頼感が合体したような気持ちです。
そこに、弱音を吐いて投げ出した後悔のようなものは全く感じない事が新鮮でした。
〝弱音を吐く〟って言葉自体、なんだかネガティブなイメージありませんか?
根性、気合、努力、忍耐・・・
子どもの頃は『アタックNo1』を観て育った昭和生まれです。
♪〝苦しくったって~ 悲しくったって~ コートの中では 平 気 な の 〟
もう十分です。
苦しいことはしなくていいよ、悲しければもう止めればいいんです。
助けを求めるって決して悪いことではないんです。
自分を労わって、大切に生きて行こうよ!と改めて思ったのでした。
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