別居してから初めて帰省しました。
実家の整理をした時以来、9ヵ月ぶりです。
父が亡くなってから20年余り一人暮らしをしていた、実母C子さん。
後半の10年ほどは徐々に認知症が顕著になって、ヘルパーさんに助けていただいていました。
私もケアマネさんと連携して遠距離支援をしていましたが、ついに限界を迎えます。
2019年に有料老人ホーム、2020年から特養に入りお世話になっています。
C子さんがいなくなった実家は空家になりました。
隣の事務所も10年ほど空家になっていたところ、突然事務所の借り手が現れました。
昨年はそのリフォームに追われ、10月のオープンに間に合わせるのに必死でした。
それに加えて10月は私の別居決行のXデイ。
事務所は貸す準備、私自身は新居を借りる準備を同時進行で、まさにカオスな毎日だったのです。
なんとか乗り越えて、貸事務所も私の新生活も無事スタート!と思ったのも束の間。
お貸ししている事務所の電気代が、なぜか私の元に請求されているのを発見。
その名義変更や肩代わり分を返金してもらってホッとした矢先、今度は浄化槽のトラブルです。
実家の浄化槽を点検してもらったところ、電気が通っていないというのです。
それを聞いてハッとした私。
そういえば、母屋のブレーカー落としてた!
浄化槽は母屋の電気で動くのでした。
ブレーカーを上げるためだけに帰省?😰心の声が聞こえます。
でも実家の様子も見たいし、そろそろ母屋に風を入れたいし、お墓参りもしなくては。
やっぱり行こう。昨夜寝る前にそう決めました。
新幹線・在来線と乗り継いで、実家に向かいます。
〝普通〟がホームで待っていました。
急行が来るまで10分立って待つのもダルイな。
座ってゆっくり行こう。
乗ったとき8割方埋まっていた座席も、進むにつれガラガラになっていきます。
いつも3駅くらいしか止まらないところを細かく刻んで行くのですからスピードもゆっくりです。
ふと車窓に流れる風景にどこか違和感を感じました。
今まで感じたことのない、距離感。
どこか知らない土地というか、『地方でよく見る風景』のサンプルを見ているような。
または、知っているけれど「こんな感じだったっけ?」というような。
乗ったことのない普通に乗ったからでしょうか。
実家の最寄り駅につきました。
駅構内も、駅前も昔に比べてキレイに整えられています。
古くて統一感のない田舎の駅から、要らないものを断捨離したようにスッキリしています。
駅前の通りも道路が拡張されて見晴らしがよくなりました。
そのせいか、人気のなさがかえって目立つかもしれません。
やけに物寂しいというか。
でも数年前からキレイになってたよね?
今日初めて見るわけではないのにな。
気づいていないだけで他にもたくさん変わっているかもしれません。
途中お花屋さんでお墓のお花を作ってもらい、お寺へ向かいます。
久しぶりにお墓の草取りなどもして、亡父に話しかけます。
お父さん、私あの人と別れることにしたわ。
生前、絡みが薄かった父と私。
思い出と言えるようなことも数えるほどしかありません。
それでも自然とことばが湧いて出てきました。
お花を活けて草取りなどしながら、しばらく思いつくままにボソボソと話していました。
実家に着いて母屋に入り、ブレーカーを上げで浄化槽が動いたことを確認しました。
雨戸をあけて風を入れていきます。
2Fのタンスにまだ残っている昔の写真などを眺めてみます。
そこにいる若い父母。まだ子どもの私。
思春期・学生の頃・OL時代・・・遠い遠いできごとのようです。
生まれてから結婚するまで、結婚生活から破綻まで、それぞれ大体30年です。
そして、これから自分自身のための30年を生きようと思っている私。
30年って結構な長さですね。
理由は分かりませんが、今回の帰省では今までにない感覚を味わいました。
実家との距離感の表れなのでしょうか。
故郷と言える場所がヤケに遠く、妙に小さく感じました。
もしかしたら、この場所はいつか私から離れていくのかもしれない・・・
ふと、そう感じた帰り道でした。
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