離婚訴訟、第10回目。《陳述書》

卒婚

調停が決裂し、約1年前に始まった裁判。

別居期間を含めて30年の婚姻関係を解消するため、私が原告として相手方を訴えました。

証拠書類の請求や提出など、双方の弁護士のみが約1~2カ月に1度のペースで東京家庭裁判所に出向いていました。

そしてついに10回目にして、当事者の言い分を裁判所に提出できる段階になったのです。

今年に入ってしばらくしたある日、H弁護士からメールで知らせが来ました。

H弁護士
H弁護士

陳述書を作成しました。

本訴訟で裁判所に伝えたい事があれば自由に追記していただいて結構です。

私は少し緊張して添付されたPDFを開きました。

大きく『 陳 述 書 』とあり、その右下に日付、住所、私の名前。

本文には、まず『婚姻の経過』が書かれています。いつ結婚して、娘と息子が何年何月何日に生まれました、という内容です。

  

次に被告の行いが記述されています。

争点の『被告のギャンブル・借金』についてで、一番ボリュームのある内容になっています。

被告が繰り返した競馬、借金、貯えの使い込み、搾取されたこども保険の満期金‥

発覚した時の具体的な会話や、被告の態度、私の心情までオムニバスを見ているようです。

  

その次は『被告のモラルハラスメント』についてです。

被告は私と子ども達を〝社会性のない未熟な人間〟と見下していました。

家父長制、男尊女卑を標榜し、事の大小を問わず決定権は被告のもの。

私はここまで読んで、陳述書が『訴状』を元に作られていることに気づきました。

生々しい『訴状』の中身
なぜ離婚したいのか、私の訴えを記した文章は火サスのように生々しいものでした。裁判所に提出する書類と聞けば、意味不明な専門用語で埋め尽くされたお堅いものというイメージ。それが案外違ったんですね。

『訴状』は裁判を申立てるときに提出する最初の書類です。

なぜ今離婚を求めるのか、なぜ別居に至ったか。

すでに調停に臨む際H弁護士に伝えてあった事実や資料によって訴状ができ、それを元に今回の陳述書が作られたのです。

その資料は、当時の日記、家計簿、通帳の記載を見比べて事実関係を細かく洗い出したものでした。

日記には当時、何年にもわたって断続的に借金が発覚し、その度に信頼を裏切られ約束を反故にされた心情が書いてあります。

子ども達や私への言動に日々違和感や反発を感じても、収入のなかった自分にはどうすることもできないと諦めて前を向こうとしている様子も。

『陳述書』には、私が「裁判所に伝えたいこと」の全てが書かれているだろうか‥

日比谷公園です。東京ミッドタウン日比谷が青空に聳え立っていました。この時期の裁判所の写真が無かったので、お散歩がてら久しぶりに来てみました。

『被告のギャンブル・借金』は加筆する必要はありませんでした。

一方で『被告のモラルハラスメント』については「これでは弱い」と感じました。

  

実は訴状の原稿を読んだ時も同じような印象があったのです。

被告の侮蔑的言動、ネグレクトは特に子ども達に深刻な影響を与えました。

でも私の日記以外に客観的証拠は何一つありません。その日記も10年ほどで止めています。

〝主張〟にとどまるモラハラ被害はメインの訴えにする事はできませんでした。

H弁護士は「他にも言いたいことがある」ことをずっと前から良くご存知だったのです。

  

そして偶然にもこのメールを送ってもらった日、娘が遊びに来ていました。

H弁護士が陳述書を作ってくれたの。

裁判所に伝えたいことを自由に追記できるんだって。

書いてみたんだけど、見る?

間髪を入れず「見る!」と言ってしばらく読んでいました。

ポッペ
ポッペ

「子ども達は‥」の部分だけ少し書き直してもいいかな

娘はかつて、関心すら持とうとしない父親に挑み、それでも背を向ける相手に慟哭のような心の叫びを投げつけていた時期がありました。

パソコンに向かって15分ほど。

「これでどうかな」といって見せてくれた文章はあくまでも冷静で簡潔でした。

子として人間として、娘自身が父親という存在を考え尽くし辿り着いた境地です。

それは濁った雨水が地層に濾過され一滴の澄んだ湧水となるように。

ありがとう

これは私では書けないものだわ

ポッペ
ポッペ

ボー(弟)の尊厳のために、これは書いておきたいんだよね

自分の思いはただ一言に凝縮させて、弟の受けた屈辱的な体験を裁判所に訴える短い文章でした。

  

陳述書の原稿が手元に届いた日に、娘が家に居てくれて本当に良かったと思います。

これで私達3人が裁判所に伝えたい事実と気持ちのこもった陳述書が出来上がりました。

  

  

  

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