先週末、娘のポッペは久しぶりに友人2人と会いました。
高校時代のその友人たちは、1人が昨年春に結婚したばかり、もう1人は5年以上も付き合っている彼との結婚が見えない状態で、ポッペは彼氏未満とバラバラです。
3人の会話は3者3様の立場の違いをクッキリと浮き彫りにしたようです。
昨年は、ポッペの高校時代の仲間のうち3人が結婚しました。
春・夏・秋と続いた結婚式は見事にタイプの別れた式となりました。
春の結婚式は昭和のような披露宴、夏は友人ばかりの立食形式、秋はクルーズ船での豪華版と結婚式のカタログをめくるような1年だったのです。

春に結婚した友人の実家はとてもお堅い感じで、考え方も古風だけれど意外な面もありました。
『合議制』です。
古風であれば、亭主関白とか家長制度とか父親絶対主義のように思うじゃないですか。
そうではないんだそうです。
子どものころから毎月1回の家族会議があり、なんでもそこで決められたそうです。
小さなことから、進学や結婚というようなことまで。
〝育ち〟という価値観と家族全員が理性的に話し合える家風を、その友人は大切にしています。
弟さんとも一度も感情的になってケンカをしたことがないそうです。

同じ昭和チックだったウチとは対照的だよね。
父親はまともに子どものこと見ないし。
ボーとは思春期にめっちゃ仲悪かったし。
その友人は自分の家庭を持ち、奢りグセのあるご亭主をただいま教育中なんですって。
そして〝後輩たち〟に「お金はだいじだよ」などと言ってみたりするのです。

結婚したくても先が見えない友人は、お互いの休日が完全にすれ違っていて会うこともできません。
そもそもお互いに、東京を挟んで反対方向に離れた地域で就職しているのです。
おまけに相手の仕事はどう見ても労働条件が悪く、残業や休日出勤も日常的にあるとか。
相手は、友人が仕事を辞めればいつでも一緒に暮らせると考えています。
でも友人は、そんな仕事に見切りをつけて、自分の住む近くで転職してほしいと思っています。
今まで友人の意見はご両親から第一に尊重されていて、正に『王制』です。

そんなご両親から「考え直す時期では」と言われたと怒っています。
かける言葉が見つからず「前向きでいて偉いよ」と言ったポッペに対して、友人は不機嫌にこう言ったそうです。
「だってそうしなきゃ、結婚なんてできるわけないよ」
〝自分の意見を聞いてもらうこと〟は当たり前だった2人の友人たち。
ポッペにとってそれは高校生の頃から知っていたこととはいえ、改めて違いを感じたと言います。

ず~~っと前から思ってたんだけど、ウチは『株主総会制』だったよね。

株主総会制?どういうこと?

だってお金を出せる人間だけが意見言えてたじゃん。
稼げない人間は話を聞いてももらえない。
発言する権利がなかったんだよ。
そう言われてみれば、まさに株主総会。
家庭なのに。
なんという思いをさせてしまっていたのかと、改めて思います。
それでもポッペは、思うのです。
『合議制』で決まったことを裏でシレッと反故にできたり、自分の言った意見は相手が受け入れるべきと考えて怒ったりすることに違和感を感じたと。

友人たちも、ポッペの話しぶりにきっと何かを感じる部分があったでしょう。
もうかれこれ10年以上になる付き合いです。
高校生のキラキラした一瞬、お互いの個性がまだ原石だったあの頃。
受験・就職とそれぞれの属す社会は分かれ、タイプの違う荒波に削られて少しずつ形も輝きも以前とは変わってきたのかもしれませんね。
3人とも、もうすっかり大人女子です。
自分を育んだ家庭や、世間で出会った様々な価値観に一定の距離を持ち、自分自身が居心地のよい生き方にシフトする時期になったのではないでしょうか。
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